中国に嫁いだ北朝鮮女性の手記…「1日3食食べられて幸せ」 (DailyNK Japan)

2016/11/30 木村 0

北朝鮮から、貧困や政治的迫害を免れるために、密かに国境を越え脱北する人は後を絶たない。その数は10万人とも、30万人とも言われているが、正確な数はわからない。一部は韓国や欧米諸国にやってくるが、大多数は中国の地で息を潜めて暮らしている。生活費を稼ぐために短期間の出稼ぎにやってくる人もいる一方で、よりよい生活を求めて中国人男性と結婚し、定住する女性も少なくないと言われている。 中国のニュースサイト青年網は、貧困を逃れて脱北し、中国人男性と結婚した北朝鮮人女性の手記を掲載した。公安当局による摘発を避けるためか、個人情報を特定されない形で再構成されたものとなっている。 中国吉林省延辺朝鮮族自治州の農村には、貧困と飢餓で苦しめられている北朝鮮の女性に助けの手を差し伸べてくれる人もまだまだ多い。そんな人々の紹介で男性と結婚する人もいる。皆が金持ちの中国人との結婚を望むが、実際は農村在住で年をとっても結婚できなかった人や障がいを持った人、子連れの人と結婚する場合が多い。 中国に来て、キムチや冷麺にはなかなかありつけなくなったけど、何の心配もせず1日3食ごはんが食べられるようになった。中国人の好きな豚バラの醤油煮も初めは食べつけなかったけど、今では悪くないと思えるようになった。 中国に来て驚いたことは、テレビの番組の数が多いことだ。ニュースにバラエティにドラマ。中国語だけでなく外国語の番組もある。北朝鮮にいた頃はどんなものなのか知らなかったインターネットにも、中国に来てからは毎日アクセスしている。今では、携帯電話をいじってネットにアクセスしながらドラマを見るようになった。 夫は金持ちではなく、家も(マンションではなく)レンガ造りの家だけど、それでも幸せに感じる。夫はとても勤勉で、少しずつお金をためて町中のマンションを買おうと思っているけど、いつになるかわからない。夫はマンション価格が上がっているから早く買いたいと言っているけど、なんでそんなに家を買うことにこだわるのかわからない。私は家を持つことにさほどこだわりはない。今の生活が十分に満ち足りているから。 隣のきれいな家に住んでいるのは朝鮮人の女性。いつも二人でおしゃべりしているから、寂しいと感じたことはない。彼女の家のキッチンはとても広い。私もこんなところに住んでみたい。中国人は本当にトウモロコシが大好き。中国は地方ごとに様々な料理がある。中国人はいい暮らしをしている。 中国人の中には、欧米に移民して金持ちになることを夢見る人がいる。でも、北朝鮮人の立場からすると中国は食糧問題を解決できている。それなのになぜ危険を冒して外国に行こうとするのだろう。 この女性と中国人男性との結婚は非常にうまく行ったケースだ。一方で、人身売買の犠牲になる女性も少なくない。夫に暴力を振るわれたり、子どもを奪われたり、公安当局に摘発されて北朝鮮に強制送還されてしまう人もいるのが現状だ。また青年網は「彼女たちは、摘発されないか常に心配しながら日々を送っている」と、脱北者の不安定な立場を説明している。 (関連記事:17歳で中国人男性に売られ…脱北女性「まだまだ幼い被害者が大勢いる」) 青年網はさらに、北京に留学した北朝鮮の大学講師の手記も掲載した。法を犯して国境を越えた上記の女性とは異なり、ビザを取得しパスポートを持って中国にやって来た人だ。 長く待たされた末に、私は中国への短期留学の機会を手に入れた。私の仕事は平壌外国語大学の中国語講師。ほぼ同年代の同僚と共にやってきた。わずか半年という短い期間だけど、私は6人のクラスメートと交わろうと努力した。日本人、韓国人、ベトナム人、タジキスタン人などなど。 私は中国政府から毎月3500元(約5万4000円)の奨学金をもらっている。平壌の家で待つ妻と子どものために、できる限り節約している。毎月800元から1000元(約1万2000円〜1万5000円)を貯金して、6000元(約9万3000円)を持って帰り、わが家の経済状況を改善したいと思っている。 北朝鮮にも私なんかよりよっぽど豊かな暮らしをしている人がいる。中国との合弁会社で働いている人の月給は500元(約7700円)だ。一方、私のような大学の講師の月給は10元(約120円)にも満たない。北朝鮮で銭湯に行けば3元(約47円)、映画を見れば5元(約78円)する。10元はお小遣いにもならないのだ。 北朝鮮に比べて中国の物価は高いので、私はできる限り外出しないようにした。外出すればその分出費が増えるからだ。北京のあるレストランでみんなで食事をしたのだが、5〜6年分の年収が一度の食事に消えたのを見て驚きを隠し得なかった。 旅行に行きたいという思いはあるが、ホテル1泊は200元(約3100円)もするのでとても泊まれない。安く泊まれる地下室もあるが、不衛生で治安も良くないので泊まりたくない。旅行に行くのはもう諦めている。