北朝鮮系の在日団体がトランプ氏に期待を寄せる理由 (DailyNK Japan)

2016/11/20 大久保 0

北朝鮮を支持する民族団体、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙である朝鮮新報が、ドナルド・トランプ次期大統領への期待を表した。 同紙は18日、電子版に「クリントンとトランプ」と題した短いコラムを掲載。「主流メディアはいかにも、善良な人々がクリントンを支持しており、トランプは『悪人』であるかのように描いているが、それはわい曲だ」と指摘した。 「公開処刑」に加担 同紙はたまに、国際情勢について独特の見解を示すことがある。 2015年1月、フランスの週刊新聞シャルリー・エブドに対する襲撃事件が起きたときには、なぜか米国に猛烈な非難を浴びせた。 (参考記事:総連機関紙がフランスのテロ事件で何故か米国を猛非難。その理由とは!?) 今回のコラムも、着眼点に独特なところがある。コラムは、旧態依然の政治と新自由主義に反感を持つ米国の有権者はクリントンを危険視している、米国民はウォール街や軍産複合体と癒着しているクリントンが、国家財政の危機を戦争で乗り切ろうとするはずだと恐れたのだ、などと解説。続けて次のように述べた。 「一方、トランプは野卑で差別主義的な発言で非難された。しかし彼の公約が重要だ。それは、これ以上、他国のことに干渉してはならない、対話を優先させなければならない、『世界の警察』のような真似をする必要がない、それより自国の問題を解決しなければならない、非常事態にある経済をどうにかして再生し失業者を救済せねばならず、腐った政治を清算しよう、というものだ。とても常識的で妥当な主張だ」 北朝鮮の公式メディアは今のところ、トランプ氏の当選について反応を示していない。朝鮮総連の主張をイコール北朝鮮の主張と見ることはできないが、少なくとも、トランプ氏を肯定的に評価することが禁止事項になってはいないことは分かる。 それではなぜ、朝鮮総連から、トランプ氏に対するこのような期待感が出てくるのか。その理由は人権問題の一点に尽きる。 現オバマ政権は、北朝鮮における人権侵害の責任を問い、史上初めて金正恩党委員長を制裁指定した。これに対する正恩氏の怒りは凄まじく、ブチ切れて周りに当たり散らし、拳銃を乱射したとの情報もあるほどだ。 (参考記事:金正恩氏が「ブチ切れて拳銃乱射」の仰天情報) ならば、トランプ政権が発足したらどうなるのか。トランプ氏やそのブレーンたちも、「北朝鮮の人権問題は重大だ」くらいのことは言うかもしれない。しかしその度に、人々は彼の発してきた人種差別的な言葉の数々を想起するだろう。北朝鮮に対する人権包囲網が、これまでに比べ真剣味の薄れたものになるのは避けられないのではないか。 朝鮮総連にとっても、北朝鮮の人権問題は耳の痛い問題だ。政治犯収容所や公開処刑の存在を認めないことで、彼ら自身がそこに加担しているも同然だからだ。 (参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」) 筆者とて、北朝鮮と米国の対話に反対する者ではないが、それには、人権問題を後退させないという前提条件が付く。 もっとも、北朝鮮の人権問題はすでに国際的イシューとなっている。トランプ氏といえども、「追及するのはやめだ」とまでは言えないだろう。誰が何を期待したところで、人権問題をめぐる北朝鮮と朝鮮総連の状況は、今後も大きく変わることはないのだ。

「正恩」に会えず、最大理解者の後ろ盾機関も風前の灯火で「朝鮮総連」危機 (産経ニュース)

2014/10/21 大久保 0

7日、8年ぶりの北朝鮮訪問を終え、北京空港に到着した朝鮮総連の許宗萬議長。金正恩第1書記との面会について明言を避けた(共同) 鳴り物入りで8年ぶりに北朝鮮を訪れた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長は、最大の目的だった金正恩(キム・ジョンウン)第1書記との面会がかなわなかった。本国への投資や献金も思うように集まらず、後ろ盾だった指導機関もトップの健康悪化から存続すら危ぶまれる状況という。日朝協議の進展を起死回生のチャンスととらえてきた朝鮮総連指導部が“想定外”の危機に直面している。(桜井紀雄) 国賓級の歓待、滞在延長も…  出発日の9月5日には、羽田空港の国際線出発ロビーに許氏の見送りに朝鮮総連関係者ら約100人が集まった。許氏は女性から手渡された花束を掲げて「行ってきます」と笑顔を見せ、関係者の拍手の中を“祖国”に向け旅立った。  空港で記者団の取材にも応じ、日朝間の問題は「互いが信頼し合い、自主的に解決していくことが大事だ」と語った。朝鮮総連トップとして、この上なく誇らしい瞬間だっただろう。  だが、今月7日の帰国時には様相が違った。羽田空港で朝鮮総連関係者には、にこやかに応対したものの、「金第1書記と会ったのか」という記者団の質問には明言を避け、金第1書記は「非常に健康だ」と説明。その後は記者の追及を避けるように、硬い表情ままその場を後にした。 日朝関係者らによると、平壌に降り立った許氏一行に対しては「国賓級」の歓待が行われた。9月6日には大々的な歓迎会が催され、「金第1書記の指示で設けられた」と説明された。宿泊には、海外の首脳が泊まる迎賓館「百花園招待所」が充てられたという。  許氏は国家元首級の金永南(ヨンナム)最高人民会議常任委員長らと会談。同月25日には国会に相当する最高人民会議にも出席した。だが、議場に金第1書記の姿はなかった。  訪朝の最大の目的は、金第1書記と面談し、朝鮮総連の今後の運営方針や指導部人事について最高指導者からの“お墨付き”を得ることにあったとされる。しかし、滞在期間が金第1書記が全く公の場に姿を見せなかった時期と重なった。当初、9月27日までだった滞在予定を延長したが、結局、面会できなかったという。 出資求める北からの手紙  「朝日関係が好転しており、事業をやりたいので仕送りの3年分をまとめて送ってもらえないか」  拉致被害者らの調査で合意した5月の日朝協議以降、北朝鮮国内に親戚のいる在日朝鮮人のもとに親戚からこんな内容の手紙が送られるようになった。 親戚からの手紙は、他の複数の在日朝鮮人にも届いたが、いずれも日朝関係の進展に触れ、まとまった額の送金を求めるなど、判で押したような似た文面だったという。厳しい検閲が行われるはずの北朝鮮からの手紙。受け取った在日朝鮮人らは、送金にたかろうとする北朝鮮当局側の意図を感じたという。  そもそも北朝鮮側が日朝合意に応じたのは、日本が独自制裁として朝鮮総連幹部らを対象に課してきた再入国禁止の解除を提示したことが大きかったとされる。朝鮮総連トップの許氏らを本国に呼び、直接指示することで、かつての“集金マシン”としての朝鮮総連の役目を再機能させられると踏んだようだ。  だが、制裁解除後も許氏はなかなか訪朝しなかった。本国への献金が思うように集まらなかったことも理由といわれた。結局、今回の訪朝で目安とした1億円を大きく下回る額しか持参できなかったとされる。  合弁事業などへの在日商工人の参入計画についても取りまとめて本国に報告することも訪朝目的の一つとみられたが、快く投資に応じる商工人はほとんどいなかったという。逆に商工人からは、過去の羅先(ラソン)経済特区などへの進出の失敗から「法律面など受け入れ態勢が整わなければ、到底参入できない」といった苦情ばかりが集まったという。 訪朝には、商工人側の代表も同行したが、最高人民会議開催前には日本に引き揚げたという。一連の在日商工人らの態度からは、シビアなビジネスに携わる者ならではの日朝関係に対する冷めた見方がうかがえる。 つえつき現れた代弁者  許氏ら一行の歓迎の宴に病気を押して、つえをつきながら参席した一人の老幹部がいたとされる。  朝鮮総連を指導する北朝鮮の工作機関「225局」を取り仕切る康寛周(カン・グァンジュ)=通名・姜周一(カン・ジュイル)=氏だ。重い病を患い、公の場に姿を見せるのはまれだという。死亡説までたびたび流れたりもした。  康氏は、許氏の「最大の理解者」(日朝関係者)といわれ、朝鮮総連の本国側の代弁者として、要望を政権に伝えてきた。対日利権をバックに強い発言力を保持してきたが、日本政府の対北制裁で日朝貿易がストップすると、225局自体が存続の危機に陥った。  金正日(ジョンイル)総書記時代末期にも金正恩体制を見越した工作機関の統廃合が進められ、225局は一時、朝鮮労働党傘下から内閣の下に置かれるなど、位置付けが定まらず、現在は対韓国工作に当たる党統一戦線部の事実上の指導下に置かれているという。 それだけに、日朝協議の進展は、中央本部の競売問題を抱える朝鮮総連だけでなく、225局にとってもいわば最後で最大のチャンスといえた。  日朝関係者は「225局は康氏の個人商店といえ、康氏の健康状態いかんで組織自体が統一戦線部に完全に吸収される可能性がある」と指摘する。  統一戦線部のトップは、金第1書記の側近の一人として仁川アジア大会閉幕式に合わせ、電撃訪韓した金養建(ヤンゴン)氏だ。康氏とは犬猿の仲ともいわれた。康氏が果たしてきた後ろ盾が消えれば、党官僚らが直接介入し、朝鮮総連に対する要求や引き締めが強まることも想定される。 […]

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