金正恩氏が「公開処刑を禁止する」と指示…その真意は!? (DailyNK Japan)

2016/12/21 木村 0

北朝鮮の金正恩党委員長が、全国の司法機関に対して「公開処刑を禁止する」との指示を下した可能性が浮上している。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、人民保安省(警察庁)など全国の司法機関に「公開処刑を禁止することについて」という金正恩氏の指示文が伝えられたという。これには「群衆を集めて死刑を行う『群衆審判』『公開銃殺』を禁じる」という内容が書かれていた。銃殺そのものを禁止せよというものではなく、非公開で処理せよという意味だ。 北朝鮮では、「見せしめ」の目的で公開処刑が頻繁に行われてきた。 (参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」) 生々しい情報 とりわけ金正恩政権になってからはその傾向が強まり、高級幹部から韓流ドラマのソフトを売った一般庶民に至るまで、様々な罪状で公開処刑されている。 韓国の国家情報院によると、今年に入ってから9月までに公開処刑された人は64人に達する。 公開処刑禁止の理由について、情報筋は次のように説明した。 「当局は住民を無条件に屈従させるために公開処刑を続けてきたが、弊害も馬鹿にならないと考えているようだ。国際社会に生々しい状況が知られることを恐れて、禁止の指示を下したのではないか」 (参考記事:玄永哲氏の銃殺で使用の「高射銃」、人体が跡形もなく吹き飛び…) 国連や人権団体は、北朝鮮の人権侵害について批判を続けており、金正恩氏を国際刑事裁判所に提訴せよと主張している。これが北朝鮮に対し相当な圧力として働いている可能性が高い。 一方で今回の公開処刑禁止令は、国際社会の視線を気にしたための措置に過ぎず、人権状況の改善は期待できないとの見方もある。 北朝鮮における非公開での処刑は、管理所(収容所)や教化所(刑務所)内で密かに行われる。庶民の間で「絞刑吏」、つまり「縛り首役人」と呼ばれる戒護員(刑務官)は、角材、棍棒、ハンマーで急所を滅多打ちにして処刑する。また、電気ショックや薬物注射による処刑も行われているとの証言もある。 地域では既に「冷血な絞刑吏を集めて『殺人組』を作る」という噂が出回っている。 国連の統計によると、世界195の国や地域のうち、死刑を行っているのは56に過ぎず、死刑廃止は世界的な流れとなっている。死刑を頻繁に執行するだけでも「人権侵害国」との批判にさらされるが、公開処刑となればなおさらだ。世界で公開処刑を行っているのはイラン、サウジアラビア、ソマリア、シリア、アフガニスタン、イエメン、そして北朝鮮の7カ国に過ぎない。 ちなみに韓国には死刑制度は存置されているが、1997年12月以来、執行は停止されており、事実上の死刑廃止国となっている。凶悪事件が起きるたびに、国内では「死刑執行を再開せよ」との声が上がるが、国際的な圧力を恐れてか、死刑執行の停止は続いている。 (参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認)

ロシアに派遣された北朝鮮労働者、落下したつらら直撃で死亡 (DailyNK Japan)

2016/11/30 木村 0

ロシアの首都、モスクワ郊外で、北朝鮮から派遣された労働者が頭部につららの直撃を受け死亡する事故が発生した。 ロシアの各メディアによると、今月19日、モスクワ郊外のリューベルツィのベルトリョートナヤ通りでの住宅建設現場で、ビルの上から落ちてきた正体不明の物体が、45歳の北朝鮮労働者の頭部を直撃した。目撃者が救急車を呼んだものの、医師によりその場で死亡が確認された。 ロシアのネットメディア「Life.ru」によると、落下物はつらら。被害者は韓国人のハン・ツィクと報じているが、韓国大使館が確認した結果、北朝鮮人であることが明らかになっている。 ロシア連邦捜査委員会のリューベルツィ支局は「安全装置の不備が男性を死に至らしめた」とし、刑法143条2項の違反の容疑で捜査に乗り出した。詳細は報じられていないが、死亡した労働者はヘルメットを付けていなかったものと思われる。 北朝鮮が外貨稼ぎのためにロシアに派遣した労働者の数は19万人に及ぶと言われているが、長時間労働、安全設備の不備などで、労災死亡事故が相次いでいる。 (関連記事:ロシアに派遣された北朝鮮労働者、労災死亡事故相次ぐ) また、冬の訪れとともに、ロシアではつららや雪の落下による被害が相次いでいる。17日には、サンクトペテルブルクの中心部で、70代の男性がビルの上から落ちてきた巨大なつららの直撃を受け、重傷を負った。モスクワとサンクトペテルブルクは、数日間に20人あまりが負傷している。

金正恩氏の「最愛の妹」が「最強の妹」に変身している (DailyNK Japan)

2016/11/30 木村 0

北朝鮮の金正恩党委員長は、8月末から9月初めにかけて発生した北東部の大水害被災地を、いまだに訪れていない。 その理由について、北朝鮮国内の情報筋や韓国の北朝鮮ウォッチャーからいくつかの観測が出ていることについては、筆者も何度か言及してきた。中でも有力に思えるのは、洪水によって国境警備隊の武器庫が倒壊、銃器や弾薬類が流失し、いまだ回収が終わっていないから、との指摘である。 友人が謎の「大量失踪」 確かに、米韓で金正恩氏を狙う「斬首作戦」が半ば公然と議論されている状況下では、うなずけるものだ。それでも気になるのは、誰が、「被災地には行かない」という結論を下しているかだ。 現在の北朝鮮において、正恩氏がどこへ行き、行かないかという決定を下せるのは、正恩氏ひとりであるように思える。 しかし彼は、韓国軍の射程内にある最前線の小島にまで、ゴムボートに乗って行ってしまう一面もある。最高指導者となって以来、やたらと「人民愛」を強調してきた彼にとって、被災地で復興の陣頭指揮を取って見せることは、自らを宣伝する上で絶好の機会でもある。 これらの矛盾の間に、いったい何があるのか……。 そう考えていたところ、ひとつのヒントを得ることができた。韓国IBK経済研究所のチョ・ボンヒョン副所長がデイリーNKの取材に対し、「正恩氏の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏が被災地訪問を止めている」との見解を伝えてきたのだ。同副所長は言う。 「正恩氏の行事全般は護衛司令部が担当しており、その裏には与正氏がいる。彼女は兄の動線のみならず、随行員の面子まで決めている」 言われてみればそうだ。かつて、金日成主席の現地指導の行き先などは、金正日総書記が細かく決めていたとされる。そして今、正恩氏に対してそれを出来るのは、おそらく与正氏しかいない。 なぜなら与正氏は、正恩氏にとってかけがえのない存在であるからだ。日本の大阪にルーツがある正恩氏に対しては、北朝鮮幹部らも陰で「ニセモノ説」を囁いていると言われる。 (参考記事:金正恩と大阪を結ぶ奇しき血脈(1)) 正恩氏が本当に心を許せるのは、血を分け合った兄妹しかいないのである。 また与正氏は、朝鮮労働党中央委員会・宣伝扇動部の副部長の地位にあり、政治行事を担当していると言われる。その職責上も、正恩氏の活動に意見を言うべき立場にあると言える。 一方、党中央委の副部長と言えば、日本の中央省庁の審議官から事務次官級に相当する高級官僚だ。そして宣伝扇動部は、国民の思想や情報の統制を司る部署だ。北朝鮮で外部の情報に触れた人々が、拷問や銃殺を含む厳しい処罰を受けているのは、周知のとおりである。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…) そのため、いずれは国際社会による制裁対象に指定されるとの噂もある与正氏だが、正恩氏の「最強の側近」であると確認されれば、彼女に対するプレッシャーはいっそう強まるだろう。 以前は正恩氏に随行するたび、その明るい笑顔が公式メディアで紹介されていた与正氏も、制裁指定を警戒してか、その動静が隠されるようになっている。 かつて、学生時代の友人らが些細な言動のために「大量失踪」した際には、ショックを受け深く傷ついたとされる与正氏。 (参考記事:金正恩氏実妹・与正氏の同級生がナゾの集団失踪) しかし彼女もいずれは、そうした素朴な横顔を完全に捨て、北朝鮮の最高権力の一員として君臨する日がくるのだろうか。

中国に嫁いだ北朝鮮女性の手記…「1日3食食べられて幸せ」 (DailyNK Japan)

2016/11/30 木村 0

北朝鮮から、貧困や政治的迫害を免れるために、密かに国境を越え脱北する人は後を絶たない。その数は10万人とも、30万人とも言われているが、正確な数はわからない。一部は韓国や欧米諸国にやってくるが、大多数は中国の地で息を潜めて暮らしている。生活費を稼ぐために短期間の出稼ぎにやってくる人もいる一方で、よりよい生活を求めて中国人男性と結婚し、定住する女性も少なくないと言われている。 中国のニュースサイト青年網は、貧困を逃れて脱北し、中国人男性と結婚した北朝鮮人女性の手記を掲載した。公安当局による摘発を避けるためか、個人情報を特定されない形で再構成されたものとなっている。 中国吉林省延辺朝鮮族自治州の農村には、貧困と飢餓で苦しめられている北朝鮮の女性に助けの手を差し伸べてくれる人もまだまだ多い。そんな人々の紹介で男性と結婚する人もいる。皆が金持ちの中国人との結婚を望むが、実際は農村在住で年をとっても結婚できなかった人や障がいを持った人、子連れの人と結婚する場合が多い。 中国に来て、キムチや冷麺にはなかなかありつけなくなったけど、何の心配もせず1日3食ごはんが食べられるようになった。中国人の好きな豚バラの醤油煮も初めは食べつけなかったけど、今では悪くないと思えるようになった。 中国に来て驚いたことは、テレビの番組の数が多いことだ。ニュースにバラエティにドラマ。中国語だけでなく外国語の番組もある。北朝鮮にいた頃はどんなものなのか知らなかったインターネットにも、中国に来てからは毎日アクセスしている。今では、携帯電話をいじってネットにアクセスしながらドラマを見るようになった。 夫は金持ちではなく、家も(マンションではなく)レンガ造りの家だけど、それでも幸せに感じる。夫はとても勤勉で、少しずつお金をためて町中のマンションを買おうと思っているけど、いつになるかわからない。夫はマンション価格が上がっているから早く買いたいと言っているけど、なんでそんなに家を買うことにこだわるのかわからない。私は家を持つことにさほどこだわりはない。今の生活が十分に満ち足りているから。 隣のきれいな家に住んでいるのは朝鮮人の女性。いつも二人でおしゃべりしているから、寂しいと感じたことはない。彼女の家のキッチンはとても広い。私もこんなところに住んでみたい。中国人は本当にトウモロコシが大好き。中国は地方ごとに様々な料理がある。中国人はいい暮らしをしている。 中国人の中には、欧米に移民して金持ちになることを夢見る人がいる。でも、北朝鮮人の立場からすると中国は食糧問題を解決できている。それなのになぜ危険を冒して外国に行こうとするのだろう。 この女性と中国人男性との結婚は非常にうまく行ったケースだ。一方で、人身売買の犠牲になる女性も少なくない。夫に暴力を振るわれたり、子どもを奪われたり、公安当局に摘発されて北朝鮮に強制送還されてしまう人もいるのが現状だ。また青年網は「彼女たちは、摘発されないか常に心配しながら日々を送っている」と、脱北者の不安定な立場を説明している。 (関連記事:17歳で中国人男性に売られ…脱北女性「まだまだ幼い被害者が大勢いる」) 青年網はさらに、北京に留学した北朝鮮の大学講師の手記も掲載した。法を犯して国境を越えた上記の女性とは異なり、ビザを取得しパスポートを持って中国にやって来た人だ。 長く待たされた末に、私は中国への短期留学の機会を手に入れた。私の仕事は平壌外国語大学の中国語講師。ほぼ同年代の同僚と共にやってきた。わずか半年という短い期間だけど、私は6人のクラスメートと交わろうと努力した。日本人、韓国人、ベトナム人、タジキスタン人などなど。 私は中国政府から毎月3500元(約5万4000円)の奨学金をもらっている。平壌の家で待つ妻と子どものために、できる限り節約している。毎月800元から1000元(約1万2000円〜1万5000円)を貯金して、6000元(約9万3000円)を持って帰り、わが家の経済状況を改善したいと思っている。 北朝鮮にも私なんかよりよっぽど豊かな暮らしをしている人がいる。中国との合弁会社で働いている人の月給は500元(約7700円)だ。一方、私のような大学の講師の月給は10元(約120円)にも満たない。北朝鮮で銭湯に行けば3元(約47円)、映画を見れば5元(約78円)する。10元はお小遣いにもならないのだ。 北朝鮮に比べて中国の物価は高いので、私はできる限り外出しないようにした。外出すればその分出費が増えるからだ。北京のあるレストランでみんなで食事をしたのだが、5〜6年分の年収が一度の食事に消えたのを見て驚きを隠し得なかった。 旅行に行きたいという思いはあるが、ホテル1泊は200元(約3100円)もするのでとても泊まれない。安く泊まれる地下室もあるが、不衛生で治安も良くないので泊まりたくない。旅行に行くのはもう諦めている。

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